追悼:永田峰雄

 先月、声楽家の永田峰雄が亡くなったという。66歳。

 永田峰雄という人物はあまり知られていないと思う。日本での露出もあまりなく、とくにTVへの出演がなかったため、超有名であるとは言い難い。しかし、ぼくが知る限りもっとも素晴らしいテノール歌手だった。

 端正な声の持ち主で、日本人的な声ではなかった。本当に素晴らしい楽器。何度も憧れ真似をして、近づきたい存在だった。

 ぼくが永田峰雄を知ったのは大学2年生か3年生のときだった。そのとき親しくしていたひとの先生が永田峰雄だった。そのひとから、永田峰雄の声を聴かせてもらった。最初はあまりよくわからなかったが、噛めば噛むほどに良さが出てきた。CDを買いあさり何度も、何度も聴いた。今もその音が耳をよぎる。とくに、メンデルスゾーンの交響曲第2番は秀逸だった。初めて聞いた瞬間を覚えている。まず、安いスピーカーに入れて、耳を近づけにやけながら、神盤だ!!と興奮した。その後、iPhoneにいれて登校下校のたびに聴いた。何度も巻き戻して同じところをかみしめて。

ほんとうに素晴らしいのだ。あの演奏は。

最近の演奏で言えば、信時潔の交聲曲「海道東征」で、日本語が素晴らしかった。これも、何度も何度も聴いた。

ぼくの学生生活、合唱生活は永田峰雄なしには思い出せない。それだけ憧れた。唯一、東海市の芸術ホールのロビーで1.5mほどの近くで浜辺の歌を聴いた。これも素晴らしかった。

永田峰雄がいなければ、今のぼくはいない。ありがとう。

是非皆さんもCDを購入して聞いてみてほしい。ぼくが知る限り、日本でもっとも素晴らしい歌手だ。

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「ひとりの木、考古学」は、色眼鏡を提供します。

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