ちょっと東京へ③  マンモス展へいく

さて、もう東京から帰ってきて一瞬間以上がたってしまったわけですが、ちょっと東京へシリーズ第3弾を書いていきます。

お台場へ向かう

今回向かった先は、お台場にある日本科学未来館。ここで開催されているマンモス展に行きました。

日本科学未来館
日本科学未来館

マンモスと聞くと、まず雪の中で大量の毛をまとって生きているゾウ。というイメージがわき上げってくるんじゃないでしょうか? そしてそのマンモスはもう絶滅しており、ぼくたちは命が宿っているその姿を見ることは、現状かないません。せのため、まぼろし感があり興味がそそられます。

ぼくはかつて旧石器時代という世界的に見れば、今から330万年前から1万年前まで、日本では4万年前から1.6万年前(1.6万円前に土器が出現し縄文時代へ)を勉強、研究していました1)ちなみに人類誕生が700万年前でそれ以降の時代を人類の時代として第四紀と呼んだりします。。そのため、マンモスは比較的なじみ深い生物なんですが、残念ながら日本列島には北海道をのぞき、マンモスが生息していなかったので、どちらかというと本州にも生息していたナウマンゾウの方がリアルな感じがあります。そのため、ぼく自身マンモスについてあまり調べてことがなかったので、この展示はとても勉強になりました。

それと科学未来館も初めての訪問です。

日本科学未来館と展示

まず日本科学未来館に入るとすぐに、マンモス展の大きなパネルがありました。そのフロアを見上げると非常に高い空間があり、チケットを見して中に入ると大きな地球がつるされているので未来感がある。

マンモス展

そしてマンモス展に入っていくとまず、永久凍土から発掘されたマンモスの子供が迎えてくれます。このマンモスの子供はかつてニュースになったやつです。

永久凍土とは凍った土のことで、この展覧会の図録いわく約200万年から存在しているらしくシベリヤやアメリカ大陸のアラスカ、カナダ北部など地球の陸地の約20%を占めているそうです。そしてなぜ、永久凍土にマンモスやほかの絶滅動物などが腐らずに保存されるかというと、腐敗の原因である湿気が周りの氷に吸収され凍るため、遺骸が乾燥状態になるからだそう(マンモス展―その「生命」は蘇るのか―[オフィシャルプログラムより])。

なるほどと思いました。普通の土壌では肉やもちろん骨なども腐って消失してしまいます。日本の土壌は火山の影響で酸性が強く、それら有機質は残ることなく消滅します。ただ例外的に縄文時代や弥生時代などの貝塚などは腐敗せずに残るんですが、その理由が永久凍土と似ています。

貝塚はその名前の通り、貝が山積みに先史人によって廃棄されたところです。その中から、魚骨や人骨などが腐らずに出土します。その理由は、大量の貝などの有機質からカルシウムが随時補給化さるからです。まわりの物質的環境によって有機質が残るのは永久凍土の条件と似ているなと思いました。

しかし、貝塚ではカルシウムのみが供給されるので骨以外の有機質は腐って消滅します。永久凍土では乾燥状態が保持されるので、皮膚や骨中には尿や血液まで残っていることがあるようです。マンモス展では、マンモスだけではなく、仔イヌ、ライチョウ、仔ウマ、ユカギルバイソンなどが展示されていました。

仔ウマ
ユカギルバイソン

ユカギルバイソンの展示ケースの上に、-22.1℃の温度計がありますが、ケース内がこの温度に設定されているようで、展示ケースの中をよく見ると天井に氷が張り付いていました。しかし、驚くべき保存状態

だからこの展示のサブタイトルが ―その「生命」は蘇るのか― になっているわけで、血液まで保存されているとなると、クローンへの期待もあがります。この展示も中盤からクローンの可能性についての展示になってき、マンガスタイルでこの問題が取り上げられています。

マンモス復活プロジェクト

しかし、ここに問題があるようです。展示の小さなコラムに書いてあったんですが、倫理的にマンモスを蘇らせていいのか、という議論があるそう。環境保全の関係で、もし蘇ったとしても自然に放つことはできない。とはいえ、一生研究室で飼育することもいいとは言えない。難しい問題です。

研究者はよく自身の好奇心社会的倫理に板挟みにあい苦しむことがありますが、ここでもそのようなことが起きているんですね。

まとめ

マンモス展ぜひ皆さん直接見てほしい展示です。この展示会は、日本科学未来館11月4日まで開催、またHPによると福岡、名古屋、大阪に巡回するようです。まだ見るチャンスはあります。

そのうち、永久凍土から先史人(ホモ・サピエンスやネアンデルタール人)が当時の衣服などをもって出土するかもしれない。と思いました。そんなことがあれば、これも奇跡と呼ばれることでしょう。

次回は国立近代美術館で開催された高畑勲展について、この「ちょっと東京へ」シリーズは完結です。高畑勲は、ぼくが最も尊敬している人物のひとり。いろいろ考えながら書いていきます。

 

脚注   [ + ]

1. ちなみに人類誕生が700万年前でそれ以降の時代を人類の時代として第四紀と呼んだりします。

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